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アシュフォード家の双子の兄妹と、クリス・クレア兄妹が意図的にダブらされて描かれてます。
他にも双子やスティーブの、父親への愛憎劇、
クレア史上初の色恋沙汰などなど、非常にストーリー性に富む仕上がり。

大雑把にいえば、

「アレクシア vs クレア、
 妹想いの兄を持った、超人的・女同士の壮大な対決!」

ってところでしょうか。


人間なんて、どう転ぶか分かんないもんだなぁ…などなど、人生とか愛の真理について、つい想いを馳せたくなる大長編ですが、
けっこう即死イベントが多いのもまた本作の特徴でありますので、ぼーっとすることがないよう、気をつけてみてください。






 

 ミステリとしてのバイオハザード

 ――BIOHAZARD CODE:Veronicaのストーリー性を考える


□1. 目的

「本格ミステリ小説」を楽しむ要素の一つとされる「意外性」、「だまされる快感」。
今回は題材としてサバイバル・ホラー、ホラー・アクション・アドベンチャーといったジャンルを確立させたカプコンのバイオハザードシリーズ、本編第4作目となる「BIOHAZARD CODE:Veronica」(以下「Veronica」と略記)を取り上げ、そこに「本格ミステリ」としての要素と、ゲームという媒体の中で実現される「だまされる快感」について検討する。


□2. 「Veronica」というミステリ 
 
 「ミステリ」、「本格ミステリ」の定義

本稿では「ミステリ」を冒険小説やハードボイルド等を含めた広義のものとし、「本格ミステリ」を「謎が提示され、それが合理的に解かれていく過程(謎−合理的解明)を主眼としたもの」を指すこととする。
一般的には、特に「本格」と言った場合、犯罪(主として殺人事件)の手掛かりをすべてフェアな形で作品中に示し、それと同じ情報をもとに登場人物(広義の探偵)が真相を導き出す形のものとされる。推理小説の中で最も古典的なジャンル。

 「Veronica」が提示する「謎−合理的解明」

「Veronica」のストーリー中において「謎−合理的解明」の根幹をなすのは、アシュフォード家の双子の兄妹、アルフレッドとアレクシアという登場人物の、特に天才少女と謳われていたという妹・アレクシアの存在に関わる謎である。
この謎についてプレイヤーは、アルフレッドによるなりすまし(入れ替わりトリック)とそれを支えるアレクシア死亡という偽情報によって、プレイ過程で二度も「意外な真相」に触れることとなり、「だまされた」というある種のミステリ的快感を抱くことが可能となっている。

 「だまされる」経緯

○ プレイヤーは当初、アレクシアは現存する人物であると思わされる
 1) 「秘書の手記」(一部抜粋)
  「噂では、高台に建てられた閣下の私邸で双子の妹であるアレクシアさまとお二人で暮されているそうだ。
   私も、偶然指定の窓際に立つ人影を二度ほどお見かけしたことがあるだけだが、
   あの方が美しいと噂されるアレクシア様なのだろう。」
 2) 映写室、双子の子供時代の映像
   アルフレッドらしき人物と瓜二つの美しい少女が映し出される。
   羽をむしったトンボをアリに与えるシーンに見出される残虐性は、それまでに明らかになっているアルフレッドの残虐性に通じる。

 3) 「新聞の切り抜き」
   「天才少女、10歳で有名大学を卒業!
    国際企業アンブレラ製薬は、少女を主任研究員として招待!」

○ アレクシアは死亡しており、兄によって仮構された人物であったと思いこまされる
 1) 女装したアルフレッドとの遭遇
   金髪のカツラが落下することでプレイヤー、プレイ・キャラクターに露見。
   それまで、見かけられていた私邸の女性は、アルフレッドが女装した姿であり、聞こえていた女性との会話は、アルフレッドの巧みな副話術で再現されていただけだったと明らかになる。
   (以下ムービーにおけるPC(プレイ・キャラクター)とサブ・キャラクターのスティーブとの会話)
   「アレクシアなんていなかったのよ」
   「二重人格ってことか…!?」
     ※ アルフレッドは、女装を解いた後も女性の声色で話し続け、その性格を続行する。
       (PCらは確認していない)
       ⇒ アルフレッドの二重人格説、精神分裂説をプレイヤーに印象付ける効果
 2) 「執事の置手紙」(一部抜粋)
  「予期せぬ15年前の卿(=先代・アレクサンダー卿:引用者注)の失踪、アレクシア様の命を奪った研究中の事故
   (中略) 何の力にもなって差し上げられない自分の無力さ…
   この世を去ってお詫びしようかとも思いましたが、あちらで卿やアレクシア様に合わす顔もございません」


○ アレクシアは、姿を隠してはいるがコールドスリープにより損面中であることが明らかになる
 1) 「アルフレッドの手記」
     ※前半部では執事に知られないようにウィルスの人体実験が行われていたことが明らかになる
      ⇒「執事の置手紙」は事実を知らないものによる手記(偽の手記)であったことが判明
  (以下一部抜粋)
  「例の実験は失敗に終わった。(中略)
   だがアレクシアは何かをつかんだ様子で、あろうことか自分自身を実験体にすると言い出した。
   そのためにアレクシアは15年間、眠りにつかなければならないというのだ。(中略)
   アレクシアを守れるのは私だけなのだ。」
      ※アレクシアの目覚める「15年後」がゲーム世界内の年と一致
        アレクシア復活、アルフレッドはそれを見届け死亡


 アレクシアの存在、という点に注目してみた場合、
  「Veronica」には双子の“入れ替わりトリック”を軸とした古典的ともいえるほど緻密に計算された「謎−合理的解明」という本格ミステリの構造を備えていることが分かる

 また、「秘書の置手紙」によりアレクシア死亡という偽情報がプレイヤーに提示されるより前に、「HUNKの報告書」によって内容物不明の「氷漬けのカプセル1個」(=コールドスリープ中のアレクシアと予想される)が運び出されたことが明らかにされるなど、巧妙かつフェアな伏線を見て取ることもできる。
バイオハザードは、「本格ミステリ」の魅力も十二分に兼ね備えたゲームであると言えるのである。

  


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